古民家の間取りの意味を知る
古民家の間取りの意味を知る
高層マンションがもはや当たり前にそびえる現在の日本でも、昔ながらの古民家の保存が続けられている地域が数多く存在します。
その代表の一つとして挙げられるのは、やはりかの戦国時代の有名な豊臣秀吉のお抱え茶人であった千利休の茶室ですね。
千利休の茶室の出入り口は、通常より上下幅が狭く作られていますが、これには来客の武士が手持ちの刀を腰から外さないと中に入れない仕組みとなっておりました。
なぜなら千利休は茶室では身分なく、みな平等であれという心持で茶室を構想したためでです。
現代の建造物にはありえない着想ですよね。
このように古民家の間取りを見ると、その家の所有者が古民家に持たせた意味に気づかされることがあります。
確かに高層マンションは便利性が高いですが、古き良き遺産の持つ独特の趣はなく何だか寂しいものを感じます。
古民家は不便だ、古臭いなどと言わずに、今一度間取りに着目してもらえたら実は驚くような発見があることをより多くの方に知ってほしいですね。
古民家の魅力の一つはその建具です
古民家は建築されてから相当の時を経た建物で、その多くは、釘など使わない伝統r的日本建築の様式で建てられています。
時代的には戦前の、特に大正時代以前の建物を指すことが多く、その魅力の一つに建具をあげることができます。
古民家に使われている木材は、腐りやすい部分には欅、檜等の堅い木材が、強度が求められる梁には松、内装等には、目に優しく木目の美しい杉等が使われています。
玄関内の上がり框の先にはたいてい引戸があって座敷と隔たっていますが、この引戸は丈夫な作りで太い框とその中に組まれた細い縦長の桟が美しい調和を見せてくれます。
欄間は、持ち主の趣向がよく現れるところでシンプルなデザインから、縁起のよい模様を彫刻したもの等様々です。
障子も日本家屋には付き物ですが、下半分を上部に引き開けられるように作っていることもあり、また、外側の廊下の引戸や窓をあけてみると、左右の引戸の框の面が凸凹になって、外から雨が吹き込まないよう工夫がされています。
時にガラスがはめられていることがありますが、よく見ると表面がゆがんで見える、古い時代のものとわかります。
このように古民家にはいたるところに職人の技と美意識と住まう人の風流が隠されていて興味がつきることはありません。